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2017-10

あなたの物語【たぬきのたぁちゃん】 - 2014.09.20 Sat

【あなたの物語】企画~
わたしと1日遊んでもらって、あなたが主役の小さな物語をつくり、
それをあらわす1枚の絵を描きます。

モニターをうけてくださった、たえこさん。
どこか行きたい場所、やりたいことはありますか?と
お尋ねしたら、ご自身の住んでらっしゃる地元、信楽でもいいですか?とのことで、
わたしが信楽に遊びにいって、おすすめスポットに連れて行ってもらいました。
信楽といえば、高原、たぬき、焼き物の里。
焼き物工場の一角でされているカフェでランチしたり、鶏鳴の滝に行ったり
、登り窯がある窯元ギャラリーにおじゃましたり。あっというまに楽しい時間は終わり。

昔から音楽が好きで、『ゴスペルって、魂が喜ぶ』って言ってはったときの
キラっとした目が印象的でした。

**********
【たえこさんの物語】

赤とんぼが飛びかい、もくもく元気な入道雲から、
風にたなびくうろこ雲へと季節がうつろう、夏のおわり。

ここたぬきの里では、秋祭りの練習がはじまっていました。
年に一度、歌えや踊れで祝いあげる、たぬきの里の秋祭り。
それぞれの地域で、練習に余念がありません。

すすき高原の子だぬきたちのチームは、
今年はみなで歌声を披露することになりました。
『はーい、みんな、静かに!
たましいの叫びを歌にしてみんなでハーモニーをつくるのが、
ゴスペルなのよ。熱いみんなのハートを歌でぶつけましょう。』
と、先生が言いました。
熱い先生の口調に、みんなは口々に
『え~、よくわかんないけど大変そう』とか、
『大声で叫ぶのなら、おれ、得意だもん』とか、
言っていましたが、
子だぬきのたぁちゃんだけは、
スポットライトをあびて、
自分がどうどうと歌っている姿を思い浮かべて、
ひとりで胸が熱くなっていました。

いつもなかなかみんなの前では
自分が本当に思っていることを言えないたぁちゃん。
他の人を見ていると、その人の気持ちが気になってしまい、
それを考えていると自分の思っていることが言えなくなって、
後回しになってしまうのでした。

その日の練習を終えた帰り道、
小高い丘の上に上ってたぁちゃんは足をとめました。
夕焼け空に、スーッと一本の線が、
まっすぐまっすぐのびていきます。
飛行機雲。
たえこさんブログ用

それをみていると、
今日のゴスペルのときにかんじた、
おなかの底から湧き上がる熱い気持ちを思い出して、
なんだか叫びたくなりました。
誰も見ていない、よしっと、ゴスペルの練習の勢いで
『わたしはここにいるよーーー!』
と震えながら遠慮がちに叫びました。
もう一度。
『わたしはここにいるよーーーー!!!!!』
今度は迷いなく、声は空にスーッと伸びていきました。
『わたしはここにいるんだからっ!!!
わたしだって、ここにいるんだからね!!!』
すっきりして、自分でも叫べたことが嬉しいような、
でも、なんだか今までの悔しい、悲しい、
さみしい想いがあふれて、涙がでてきました。
ひとしきり泣いて、とぼとぼと家に帰りました。

ただいまも言わず台所に行くと、
お母さんが晩ごはんの支度をしていました。
『お母さん。』
『あら、おかえり。帰ってたのね。』
『お母さん、あたし、このままで、いい?』
『え!?』
『あたし、このままでいい?』
お母さんは、ぎゅっとたぁちゃんを抱きしめました。
しばらくして、
『あなたは、そのまんまで、いいのよ。
いいに決まってるじゃない。』
『ほんとに?』
『当たり前よ。何ができたって、できなくたっていいの。
そんなの、どっちでもいいの。
あなたが、いてくれることが、お母さんにとって、
どれほど嬉しいと思う?』
たぁちゃんは、心の底がほかほかして、
お母さんにぎゅっと抱きつきました。

翌日も、ゴスペルの練習がありました。
『さあ、今日はね、パートわけをします。
高い音、真ん中の音、低い音、そして、
一人で歌うソロの部分を何人か決めますね。
一人ひとり、歌声に個性があるから、
ぴったりの場所を決めましょう。チャレンジも大歓迎です。』
じゃあ、ソロやってみたい人~『はい!』『はい!』
『最後に、あと一人ね。』しーんと静まり返ったそのとき、
『はいっ』っとたぁちゃんが小さく手をあげました。
心臓が、バクバク今にも飛び出しそうです。

『たぁちゃんは、歌声がまっすぐで、とっても澄んでいるの。
声は大きくはないけれど、自信さえ持てば、
それはもう魅力的になるわ。
それにね、はじめてのゴスペルの練習のときに
とっても目をキラキラさせて、
熱い想いで熱心に先生の言葉を聞いててくれたわよね。
先生、ちゃんと見てたのよ。』
嬉しくて、自分がそんなことをするなんて、
なんだか夢を見ているようでした。

いよいよ秋祭りの日。
お祭りの広場にはたくさんのたぬきたち。
ステージには、まっすぐ背筋をのばして
前よりも堂々としたたぁちゃんの姿がありました。
子だぬきたちの楽しい歌声が、
秋の空に高くどこまでも響き渡るのでした。


                    おしまい
**********:******
昨日、出来上がったものをたえこさんにお渡し
してきました。今はもうおられないお母さんに、
是非もう一度登場してほしくて。とお伝えしました。
うるうるしながら喜んでくださいました。
わたしの方が、元気をもらいました。

すごく、讃えたい気持ちになります。
その方が、その方として存在してくれていること。

あなたが、思っている自分像。
見えていない部分にも、愛しい色をつけて、
やわらかく大事にくるんでお渡ししたいと思っています。

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プロフィール

シラサワ ユウコ

Author:シラサワ ユウコ
1981年広島県生まれ。
滋賀県在住。
『この世はなんてカラフル・
  ワンダーランド』
をテーマに、心のままに絵を
描き描き中。

●あなただけのとっておき名刺の製作
●水彩お絵描き教室
●あなたの物語
●描きおろし
●ウェルカムボード
●壁画・シャッターなどの
 大型イラスト
●手描きTシャツ

その他いろいろお描きします♪

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